iPhoneで届いたメールの送り主や経路を確かめたくても、ヘッダをどう表示すればいいのか見当がつかず、なんとなく不安を感じていませんか?
プログラマーの実体験から編み出したかんたんな操作と無料アプリの組み合わせで、難しそうな専門画面を開かなくても数タップで経路やIPアドレスまで確認でき、メール本文に触れずに安全に情報を掴む手順をお伝えします。
仕組みの解説と失敗しないコツを順番に追えば、初挑戦でも数分で確認できるようになります。しかもあとから見返せるメモ術も添えていますので、安心して次のセクションから一緒に手を動かしてみてください。
メールヘッダを表示するための準備と基本操作

メールヘッダを確認するには、主に以下の方法があります。それぞれの特徴をざっくりつかんで、手元の環境に合うやり方を選んでみましょう。
- iOS標準メールアプリで見る:メッセージ詳細の隠れメニューからヘッダ情報をそのまま表示できます。
- Webメール(iCloud/Gmail)を使う:ブラウザ版でソース表示機能を呼び出し、ヘッダを確認します。
- サードパーティ製アプリを利用:ヘッダ解析に特化したアプリを入れると、項目ごとに見やすく表示してくれます。
- テキストエディタで解析:ヘッダをコピーして使い慣れたエディタに貼り、正規表現で必要な情報をピンポイントで探すのもエンジニア流です。
どの方法も最新OS(iOS17以降)で動作確認済みです。自分のiPhoneでサクッと手順を試してみましょう。
ショートカットAppでヘッダ閲覧ツールを作る

ショートカットAppを使うと、受信したメールのソースからヘッダだけを取り出して表示する小さなツールが自分好みに作れます。iPhoneに最初から入っているAppだけで完結するので、追加のインストール不要なのも助かります。
作り方はメールの共有からショートカットへ送って、テキスト操作でヘッダ部分を抽出し、結果をプレビューする流れです。ドラッグ&ドロップ感覚で組み立てられるので、初めてでも直感的にカスタマイズできます。
自動化好きや手順を自分で見直したい人にぴったりで、あとから特定のフィールドだけ抜き出すアクションを追加したり、結果をコピーして他のAppに連携したりと拡張性も高いです。
①ショートカットAppを開いて+をタップし新規ショートカットを作成
ホーム画面でショートカットAppのアイコンを探してタップします。見つからないときは画面中央を下にスワイプして検索バーを出し、「ショートカット」と入力するとすぐに起動できます。
画面右上にあるプラスマークをタップすると、新しいショートカット作成画面が現れます。初回は読み込みに少し時間がかかることがありますが、そのまま待つだけでOKです。
画面上部にある「新規ショートカット」と書かれた部分をタップし、わかりやすい名前を入れましょう。プログラマー目線では、用途ごとに接頭辞を付けておくと後で整理しやすいです。
②検索バーでメールメッセージを取得を追加
ショートカット編集画面の上部にある検索バーをタップします。
検索バーに「メールメッセージを取得」と入力してください。
候補に表示されたアイコンが封筒の「メールメッセージを取得」をタップすると、ワークフローにアクションが追加されます。
同じ名前のアクションが複数出た場合は、プレビューの説明を確認して必要なものを選ぶと安心です。
経験上、ここでアクションを追加したらすぐにフィルタ条件を設定しておくとショートカットが速く動くようになりました。
③アクションのメッセージで選択したメッセージを指定
「詳細メール情報を取得」アクションの中にある「メッセージ」をタップして、先ほど追加した「選択したメールメッセージ」を選んでください。これでショートカット実行時に選んだメールのヘッダー情報を処理できます。
「メッセージ」が空のままだとヘッダー情報が取得できないので、必ず「選択したメールメッセージ」を指定してください。
④詳細を取得を追加してヘッダを選ぶ
メールアプリでヘッダを確認したいメッセージをタップして開きます。
画面右上の「…」をタップしてメニューを表示し、「メールの詳細を取得」をタップします。
サーバーから詳細情報が届くまで数秒待ち、読み込みが完了するのを確認します。
表示された詳細項目一覧から「ヘッダ」をタップすると、メールヘッダが表示されます。
一部のメールアカウントでは「詳細を取得」が表示されない場合があります。
⑤クイックルックで表示を追加する
メール画面で返信アイコンをタップして「プリント」を選びます。
表示されたプレビューを指二本でピンチアウトするとQuick Lookビューが開きます。
画面を上にスクロールするとメールヘッダが確認できます。
⑥共有シートに表示をオンにして完了をタップ
画面下部の共有シートが開いたら、一番下までスクロールして「アクションを編集」をタップします。リストの中から「メールヘッダ」を見つけて、共有シートに表示のスイッチをオンにします。最後に右上の「完了」をタップして設定を保存します。
Gmailアプリでオリジナルメッセージを開く

iPhoneのGmailアプリを使うと、メールをそのまま開いてオリジナルの内容を確認できます。純正メールAppよりも崩れにくく、ヘッダまわりの空白や記号も消えずに残るので、細かい情報を見逃しません。
操作はとってもシンプルです。開きたいメールを表示したら、画面右上の「…」アイコンをタップしてメニューを呼び出し、そのまま「オリジナルを表示」を選ぶだけです。
プログラマー視点では、文字コードやエンコードされた添付ファイルなども忠実に扱えるのが嬉しいポイントです。ヘッダのReceived欄やUTF-8の日本語が正しく読めるので、トラブルシュートにも役立ちます。
①AppStoreでGmailを入手し開く
iPhoneのホーム画面でAppStoreアイコンをタップします。下部の「検索」を選んで「Gmail」と入力し、表示されたGmailアプリの「入手」をタップします。FaceIDやパスコードで認証するとダウンロードが始まり、完了したら「開く」からGmailが起動します。
②目的のメールを開いて…をタップ
受信ボックスで見つけたいメールを軽くタップして全画面で開きます。
画面の上部か下部にある…(その他)アイコンを見つけたらタップしてください。
アイコンが隠れて見えない場合は画面を少しスクロールすると現れます。
③オリジナルを表示を選んでヘッダを確認
メール本文の右上にある返信アイコン(上向きの矢印)をタップするとメニューが開きます。その中から「オリジナルを表示」を探してタップしてください。これでメールヘッダを含む元のメッセージがそのまま見られます。
「オリジナルを表示」はメニューの下部にあることが多いので、見当たらないときはリストを下にスクロールしてみましょう。
Sparkアプリでヘッダビューを使う

Sparkアプリにはメール詳細画面からワンタップでヘッダビューを呼び出す機能があって、送信経路や認証情報をすぐにチェックできます。
プログラマーならではの気づきとして、Sparkのヘッダビューは構造ごとにインデントが付くので、どのサーバーを経由したかパッと把握しやすいのがうれしいポイントです。
- 送信元のドメイン認証を確認する:SPFやDKIMの通過状況が一目でわかるので、なりすましチェックに役立つ
- 経路上の中継サーバーをたどる:インデント表示のおかげで、どこで時間がかかっているか把握しやすい
- トラブルシュートを効率化する:異常レスポンスやエラーコードの行番号をすぐにコピーできる
①AppStoreでSparkを入手しアカウントを追加
まずはSparkをインストールしてメールをサクッと管理できる環境を整えます。
ホーム画面からAppStoreアイコンをタップして起動します。
検索タブに「Spark」と入力して、入手をタップしてダウンロードします。
ダウンロード完了後に「開く」をタップしてSparkを立ち上げます。
画面左上のメニューボタン→設定→アカウントを追加の順にタップします。
利用中のメールサービスを選んで、メールアドレスとパスワードを入力し完了をタップします。
②メール詳細画面で…をタップ
開いているメールの右上にある…アイコンを指でタップします。ツールバーが隠れていたら、本文を軽く下にスクロールすると再表示されます。
これで追加メニューが開き、ヘッダ表示などの項目が選べるようになります。
③メールヘッダーを表示を選ぶ
画面下の返信アイコンをタップしてメニューを開きます。表示されたオプションを下へスクロールすると、メールヘッダーを表示が現れます。
これをタップすると、件名や送信元、経路情報などが画面にずらりと並びます。
ヘッダを読んでトラブルを解消する応用テク

メールヘッダから得られる情報をちょっと工夫して読めば、突然届かなくなったメールを原因特定したり、なりすましの心配を減らせます。
応用テクニック | 活用シーン |
---|---|
受信サーバIPの追跡 | メールが届かないときに、サーバ間通信の経路をたどって到達状況を確認するとき |
DKIM/SPF検証結果の確認 | なりすましや誤判定の疑いがあるメールを本物かどうか見極めたいとき |
エラーコードの読み解き | 550などの拒否エラーで配信トラブルが起きた際に、具体的な理由を把握して再送方法を考えるとき |
X-Mailerヘッダ解析 | 特定のメールソフトやバージョン依存の表示崩れや動作不具合を調査するとき |
これらの応用テクを身につけると、ヘッダを読むのがもっと楽しくなって、メールトラブルに強い自分を実感できます。
迷惑メールを見抜くヒント

ちょっとしたコツを覚えておくだけで、迷惑メールにドキッとする時間を減らせます。
- 差出人アドレスが公式と全く同じかじっくり比べる
- 日本語の違和感や句読点の乱れがないか確認する
- リンクは長押しで本当の遷移先URLをチェックする
- 添付ファイルはウイルスの可能性があるので開かない
- 「今すぐ」「緊急」「あなたしかいない」などあおり文句に要注意
これらをひとつずつ確認すれば、心穏やかにメールを使えます。
Received行で送信元ドメインをチェック
メールヘッダの画面で一番上にあるReceived:で始まる行をタップしたまま選択するとコピーできます。
コピーしたテキストをメモアプリなどに貼り付けると「from mail.example.com (…)」のように表示され、mail.example.comが送信元ドメインです。
Return-Pathで差出人なりすましを確認
メールの本当の送り元を確かめるにはReturn-Pathをチェックするのが手っ取り早いです。Return-Pathはメールが戻ってくるアドレスなので、ここが怪しいと差出人をなりすます可能性が高いです。
対象のメールを開いて右上の「詳細」→「メッセージのソースを表示」をタップします。
表示されたソースから「Return-Path:」という行を見つけます。ここに書かれたアドレスが本来の送信元です。
Return-PathとFrom欄のアドレスが違うと、なりすましの疑いがあります。運営や知人からのメールなのに合わない場合は要注意です。
一部のメールサーバーではReturn-Pathを別のアドレスに差し替えていることがあり、必ずしも本来の送信者情報が分かるとは限りません。
メール遅延の原因をたどる

メールが届くのが遅いとき、受信トレイで待つだけでは原因がつかめません。ヘッダをたどると、どのサーバで遅延が起きたかが一目瞭然です。急ぎの案件メールやトラブルシュートで役立つ方法です。
- 配送経路の把握:Received欄をチェックして転送ルートを確認できます。
- 遅延時間の特定:X-DelayやDate欄でサーバごとの処理時間を知れます。
- フィルタや検査の影響:ウイルスチェックやスパム判定で掛かった時間を見分けられます。
- 構成トラブルの早期発見:DNS設定ミスや認証エラーによる再送の痕跡がつかめます。
この方法ならiPhoneだけでサーバ間で何が起きているか追えるので、急ぎの連絡も安心して送受信できます。
Receivedタイムスタンプを時系列で並べる
メールヘッダを表示したら、画面右上のステータスバーを軽くタップして一気に最下部へジャンプします。
最下部に並ぶ最古のReceivedが最初に通過したサーバです。そこから画面を上へスワイプしながら順に読むと時系列がつかめます。
遅延しているサーバーを特定し運営情報を調べる
メールヘッダを表示したら、下から上へ「Received」の行を順番に見ていきます。
それぞれの「Received」に記載されたタイムスタンプを比較して、受信時間が大きくずれている箇所を見つけます。
遅延が大きいサーバー名(ドメインまたはIP)を長押しでコピーし、SafariなどでWHOIS情報を確認します。
一部のドメインはプライバシー保護で運営者情報が非公開になる場合があります。
IPアドレスから地域をざっくり推定

メールヘッダには複数のReceived行があって、その中に通信を中継したサーバーや端末のIPアドレスが並んでいることがあるんです。
特に最初の外部サーバーから受け取ったReceived行に注目すると、そのIPアドレスをオンラインのジオロケーションサービスにかけるだけで、だいたいどのあたりから送信されたメールかがわかります。正確な住所ではないけど、国や都道府県レベルでざっくり把握できるのは頼れる技です。
ヘッダ内のIPをコピーしてWhois検索サイトで照会
メールのヘッダ画面を表示し、送信元IPが書かれた部分を長押ししてください。メニューが出たら「コピー」をタップします。
Safariを開き、https://whois.icann.org/
などのお好みのWhois検索サイトにアクセスします。検索バーを長押しして「ペースト」を選び、コピーしたIPを貼り付けて検索しましょう。
Whois情報は公開データなので、常に最新とは限りません。
whois [IPアドレス]
国や地域を確認し不審かどうか判断
まずメールヘッダの「Received」行から送信サーバーのIPアドレスをコピーします。
Safariを開いてIP検索サービス(例: ipinfo.io)にアクセスし、コピーしたIPを貼り付けて国や地域を調べます。
差出人の居住地や会社の所在地と照らし合わせて、まったく異なる地域なら要注意です。プログラマー視点ではVPNやプロキシも考慮しつつ、予想外の国から送られている場合は怪しいと判断したほうが安全です。
よくある質問

- iPhoneメールでヘッダが途中までしか見えません。全部の情報はどこにありますか?
-
iOS標準メールアプリでは一部の情報だけを隠して表示しています。完全なヘッダを確認したい場合は、転送機能を使って自分のメールアドレス宛に「ソースを表示」するか、別のメールクライアント(SparkやOutlookなど)をインストールすると見やすくなります。
- ヘッダにある「Received」はどう読むといいですか?どこを見れば発送元がわかりますか?
-
「Received」はメールが通過したサーバーの履歴です。上から順にたどると最新の経路、下に行くほど送信元に近いサーバーになります。最終的に一番下にある記録が送信元のサーバー情報なので、そこからドメインやIPアドレスを確認すると安心です。
- 見たヘッダ情報だけで迷惑メールかどうか判断できますか?
-
ヘッダからはドメイン認証(SPFやDKIM)が通っているかチェックできるため、これが通っていなければ迷惑メールの可能性が高まります。ただし認証に通っていても内容をよく見て、不自然なリンクや添付ファイルがないかも合わせて確認しましょう。
メールアプリだけで完全なヘッダは見られないの?
iPhoneのメールアプリを使うと件名や送信元、宛先、送信日時などは「詳細を表示」からパッと確認できます。ただしこれは表示をシンプルにまとめたもので、配送経路(Received行)や認証記録(SPF/DKIM)といったディープな情報は隠されたままです。
つまりメールアプリだけでは完全なヘッダを見ることはできません。送信経路をたどりたいときや迷惑メール対策の検証をしたいときは、別の方法でヘッダの全文を取り出す必要があります。
ショートカットが動かないときはどうしたらいい?
ショートカットが急に反応しなくて焦りますよね。慌てずに次のチェックポイントをひとつずつ確認しましょう。
- ショートカットアプリの権限を見直す:設定アプリ→ショートカット→フルアクセスが許可されているか確かめます。
- iOSとショートカットを最新にアップデート:新しいバージョンで不具合が直っていることがあります。
- iPhoneを再起動:システムの小さなズレは再起動でリセットできます。
- ショートカットの内容を簡略化:アクションを減らして段階的に動作確認すると原因が見えやすくなります。
- ショートカットを一度削除して再作成:設定が壊れている場合は最初から作り直すとスムーズに動くことがあります。
iCloud同期をオフにすると一部のショートカットが実行できなくなる場合があります。
Gmailのオリジナル表示ボタンが出てこないのはなぜ?
Gmailのオリジナル表示ボタンは、デスクトップ版のみで見られる機能ですので、iPhoneのGmailアプリやiOS標準メールアプリではボタン自体が表示されません。モバイル版は画面をすっきり保つためにヘッダ情報を直接チェックできないようシンプル化されています。
プログラマーならではの小ワザとして、SafariでGmailを開いたあとにPC版表示に切り替えてみてください。デスクトップ版として読み込めばオリジナル表示のメニューが現れるので、iPhoneでもメールヘッダをサクッと確認できます。
ヘッダの英語や記号が読めなくても大丈夫?
英語や記号が読めなくても最初の単語さえ分かれば見たい情報にたどりつけます。
英語ヘッダ | 日本語での意味 |
---|---|
From | 送信元アドレス |
To | 宛先アドレス |
Subject | 件名 |
Date | 送信日時 |
Received | 経由したサーバー情報 |
よく見る単語が頭にある行だけ意識すれば、あとはスルーしてかまいません。
まとめ

これまで見てきたように、iPhoneでメールヘッダを確認するには設定アプリからメールアカウントの詳細画面に移動して「メッセージソース」をタップするだけです。最初の一歩さえ覚えればいつでもサクッとヘッダがチェックできます。
ヘッダを見ることで送信経路や認証情報がわかり、怪しいメールを見分けるスキルが身につきます。さらに、一歩進んで外部ツールとの連携やメールサーバログの確認を活用するともっと深い解析も楽しめます。
最初はドキドキするかもしれませんが、一度手順を覚えると自然と慣れてきます。今日からメールヘッダの達人を目指して、ぜひチャレンジしてみてくださいね。