iPhoneの電源ボタンが押し込まれたまま戻らず、まるで陥没したかのように反応しないと不安になっていませんか?
落ち込む気持ちはよく分かりますが、専用工具がなくても身近なアイテムと設定機能の組み合わせで動作を回復させたり、物理ボタンを使わずに再起動やロックができたりします。実際に同じ症状を乗り越えた経験を基に、細かな注意点や失敗しにくいコツを交えつつご案内しますので、初めての修理でも安心です。
今すぐ手を動かせる簡単ステップから順に紹介していますので、道具と時間を少しだけ準備し、愛用のiPhoneを快適な状態へ戻す第一歩を踏み出しましょう。
電源ボタンが陥没したiPhoneを安全に復活させる具体的な手順

電源ボタンが奥に沈み込んでしまい、画面のオンオフをするたびにドキドキしてしまいますよね。ここではまず全体の手順をざっくりまとめて、どこから手を付けるべきかがひと目で分かるように紹介します。プログラマーならではのちょっとしたコツもお伝えするので、安心して進めてください。
- 外側のホコリとゴミを飛ばす:エアダスターや柔らかいブラシでボタン周りの細かいホコリを除去します。
- 接点の動きを滑らかにする:導電性グリスを極少量だけボタンの隙間に塗って、引っかかりを減らします。
- 裏蓋を外して内部を点検:必要に応じてiPhone裏蓋を開け、ボタン機構の位置ずれやネジの緩みをチェックします。
- ソフトで代替操作を用意:設定>アクセシビリティからAssistiveTouchをオンにして、電源長押しを画面操作でカバーします。
- プロに相談する:保証期間内ならApple正規サービスへ。DIYが不安なら街の修理店を活用します。
全体を押さえたら、次はひとつずつ手順を進めていきましょう。手を入れる前に必ず電源オフと静電気対策をしておくと失敗が減ります。
埃を取り除いてボタンをふっくら戻す

電源ボタン周りに入り込んだ埃やゴミを優しく取り除く方法です。まずはエアダスターや細めの綿棒を用意し、吹きかけたり擦ったりしながら隙間に潜んだホコリを排出します。エアダスターは低圧タイプを選ぶと内部部品に負担をかけにくく、綿棒に極少量の無水アルコールを染み込ませると粘っこい汚れもスッキリ落とせます。ただし、あまり力を入れすぎないように注意してください。
この方法は軽い陥没トラブルならすぐに改善できるお手軽テクニックです。工具要らずで作業中に端末の分解リスクを避けられるのが大きなメリットです。経験上、手機を少し傾けて作業すると埃が自然と落ちやすくなるので、ポケットに入れていたときに入り込んだちょっとしたゴミならササッと解消できます。深刻な陥没まではいかないけれどボタンの反応が弱いと感じたときに試してみてください。
①ライトを当ててボタンまわりの汚れを観察する
懐中電灯やスマホのLEDライトを使って電源ボタンの周辺に明かりを当てます。角度を変えながら、ボタンと本体の隙間に埃や皮脂汚れがたまっていないかていねいに見ていきましょう。
強い光を長時間当てると目が疲れることがあるので、時々休憩をはさみましょう。
②エアダスターを斜めから軽く吹きつける
電源ボタンと本体のすき間にノズルを向け、缶を正立気味に持ったまま短くパッパッと数回吹き付けます。ノズルを斜めから当てることで、内部のゴミが舞い上がってボタンから外れやすくなります。
強く連続して吹くと缶内部のガスが液化し、結露や内部パーツへのダメージにつながることがあります。
③やわらかい歯ブラシでそっと汚れをかき出す
やわらかい歯ブラシを使うと、電源ボタンまわりに入り込んだ細かいホコリやゴミをそっとかき出せます。硬い毛先だと本体に傷がつくので、毛が柔らかい未使用の歯ブラシを準備してください。
誤操作を防ぐため、設定アプリから電源オフを実行しておいてください。
市販のやわらかめの歯ブラシを用意し、毛先に汚れがついていないことを確認してください。
歯ブラシの毛先を押し当てず、軽い力でホコリをかき出すイメージで動かしてください。
ブラッシング後はティッシュや柔らかい布で歯ブラシの毛先に残ったゴミを取り除いてください。
電源ボタンを軽く押して、しっかり復活したか試してください。
歯ブラシを水で濡らさないようにしてください。水分が基板に入り込むと故障の原因になります。
④アルコール綿棒で縁をなでるように拭き取る
綿棒の先端に70%程度のイソプロピルアルコールを少しだけ含ませます。液が滴らない程度に軽く絞るのがコツです。
電源ボタンのまわりに沿って、綿棒をなでるようにゆっくり動かします。汚れが溜まりやすい隙間を狙って、綿棒を回転させながら使うときれいに取れます。
汚れが綿棒に移ったら、別のきれいな面を使いましょう。内部に液が入り込まないように、強く押し込まずそっと触れるのが安心です。
アルコールが多すぎると内部に入るおそれがあります。綿棒は必ず軽く絞って使ってください。
⑤数回押して戻り具合をたしかめる
清掃したあと、そっと力を込めて電源ボタンを5回ほど押してみましょう。ひと押しごとにカチッという手応えが感じられるかどうかじっくり確かめてください。
押すたびに画面が点灯/消灯するか、長押しでSiri起動などのサイドボタン機能が正常に動くかも試してみましょう。
クリック感にムラがある場合は、むやみに連打せずにいったん柔らかい布で汚れを拭き直してから再度チェックすると、安定した戻り具合を得やすくなります。
AssistiveTouchで電源操作を代わりに行う

AssistiveTouchは画面上に浮かぶソフトキーで物理ボタンを押さずにiPhoneを操作できる標準機能です。電源ボタンが凹んで反応しにくくても、設定アプリ>アクセシビリティ>タッチ>AssistiveTouchをオンにすれば、タップだけで画面ロックや再起動メニューを呼び出せます。プログラマー的にはカスタムアクションに好きなショートカットを登録すると、さらにスムーズに使いこなせるのがポイントです。
①設定アプリを開きアクセシビリティをタップする
まずホーム画面で設定アプリのアイコンを探してタップします。中ほどにあるリストからアクセシビリティを見つけて押してください。iOS最新バージョンに合わせた手順です。
②AssistiveTouchをオンにして黒い丸を表示させる
ホーム画面から設定アイコンをタップして開いてください。
設定内をスクロールしアクセシビリティを開き、さらにタッチをタップします。
画面下部のAssistiveTouchをタップし、スイッチを右にスワイプしてオンに切り替えます。これで黒い丸が画面上に表示されます。
黒い丸が表示されない場合は、別の画面操作中かもしれません。一度ホーム画面に戻ってから再度設定画面を開いてみてください。
③黒い丸→デバイス→その他→再起動をタップする
画面に表示される黒い丸をタップしてAssistiveTouchメニューを開きます。
- メニューの中からデバイスを選びます。
- 次にその他をタップします。
- 表示されたボタンの中から再起動をタップすると再起動が始まります。
再起動中は画面が消えるので、完了するまでそのまま待ちましょう。
AssistiveTouchがオフの場合は設定→アクセシビリティ→タッチ→AssistiveTouchをオンにしてください。
④黒い丸→デバイス→画面をロックをタップする
画面に浮かぶ黒い丸(AssistiveTouch)をそっとタップします。表示されたメニューからデバイスを選び、続けて画面をロックをタップしてください。これでiPhoneの画面がすばやくオフになります。
⑤操作できることを覚えておく
物理ボタンが押しにくくても、iPhoneには画面操作だけで同じ動きを実現できる仕組みがあることを覚えておきましょう。
まずは設定>アクセシビリティ>タッチ>AssistiveTouchを開いて、画面上に仮想ボタンを表示します。
この仮想ボタンをタップすると、スリープ、再起動、スクリーンショット、コントロールセンターなどが呼び出せるメニューが現れます。物理ボタンが効きづらくても、これだけで日常操作はカバーできます。
Siriを使う方法もとても便利です。「Hey Siri、iPhoneを再起動して」と話しかけると、画面に再起動のスライダーが出るので、指をスライドするだけでOKです。
さらにパソコンに接続してiTunes(MacならFinder)から再起動やアップデートを行う手もあります。ボタン操作が厳しいときは、こうしたソフトウェア的な手段をぜひ活用してください。
Appleサポートで修理手続きを進める

へこんだ電源ボタンを一番安心して直したいなら、Appleサポートを利用する方法が頼もしい選択です。公式の技術者が対応するので、部品はすべて純正品質ですし、保証対象なら自己負担がグンと少なくなります。
- 純正部品でしっかり修理:長く使える仕上がりが安心材料になります。
- 保証やAppleCareが使える:期間内なら自己負担が少なく済みます。
- 店舗か郵送か選べる:近くのApple Storeか、郵送修理でスケジュールが柔軟です。
Apple IDでサインインして、サポートサイトやサポートアプリから予約や申込みを進められます。シリアル番号を手元に用意しておくとスムーズに手続きできます。
保証対象外の症状だと自己負担額が発生するので、事前に見積もりを確認すると安心です。
①App Storeからサポートアプリを入れる
App Storeを開いて画面下部の虫眼鏡アイコンをタップします。
検索欄に「Apple Support」と入力して該当アプリを見つけたら、入手をタップします。
Face IDまたはパスコードで認証すると、自動でダウンロードとインストールが始まります。
Wi-Fiまたはモバイル通信に接続しておくことと、Apple IDでサインインしていることを確認してください。
②「修理と物理的な損傷」を選ぶ
サポートメニューに進むと「修理と物理的な損傷」という項目が見つかります。落としてしまったり電源ボタンが効かない場合はこちらがピッタリの選択肢なので、迷わず修理と物理的な損傷をタップしてください。
③「電源ボタンが反応しない」をタップする
AssistiveTouchメニューが開いたら、アイコンの中にある「電源ボタンが反応しない」をタップしてください。これだけで実際に電源ボタンを長押ししたときと同じ操作が完了します。
AssistiveTouchカスタム操作に「電源ボタンが反応しない」が見当たらないときは、設定の「AssistiveTouch」からカスタムアクションを追加してください。
④配送修理か持ち込み修理を選んで予約する
AppleサポートサイトにAppleIDでサインインし、「修理サービスと料金」を開きます。配送修理と持ち込み修理のどちらかをタップして希望する方法を選んでください。
配送なら送付先住所を、持ち込みなら最寄りの正規サービスプロバイダを選択します。空いている日程と時間を指定すると予約が確定しますので、メールで届く詳細を必ずチェックしてください。
予約時にはAppleIDのパスワードを準備しておくとスムーズに進みます。
⑤バックアップ完了を確認してから預ける
まずはiCloudバックアップが最新状態になっているか確かめます。設定アプリを開いて画面上部のユーザ名→「iCloud」→「iCloudバックアップ」と進み、「最終バックアップ日時」をチェックしましょう。
念のためローカルバックアップも確認しておくと安心です。MacではFinder、WindowsではiTunesを使い、iPhoneをUSBケーブルで接続。「一般」タブ→「バックアップを管理」を選んで最新データが一覧にあるか確認します。
バックアップ完了を確かめたらスクリーンショットを撮っておくと、あとで「本当に取れたかな?」と不安になりません。その画像を修理店で見せれば、安心して預けられます。
バックアップ中に画面が自動でロックされると進行が止まることがあります。設定→画面表示と明るさ→自動ロックを一時的に「なし」にしておくとスムーズです。
電源ボタンが押せなくても快適に使いこなす応用ワザ

電源ボタンが使えなくても大丈夫です。画面だけで操作できる便利な応用ワザを集めました。
応用ワザ | 活用シーン |
---|---|
AssistiveTouchで仮想電源ボタン | スリープや再起動を画面上で操作したいとき |
ショートカットで電源オフを作成 | ボタン操作が難しいときにワンタップでシャットダウン |
設定アプリの「システム終了」 | 一切ボタンを押さずに電源オフ画面へアクセス |
どのワザも初期設定だけでサクッと使えるので、いざというときにぜひ試してみてくださいね。
AssistiveTouchでスクリーンショットを撮る方法

電源ボタンが陥没して通常のスクリーンショット操作が難しいときにおすすめなのがAssistiveTouchです。画面上の仮想ボタンを使ってサクッとスクショが撮れます。
AssistiveTouchは設定アプリから有効化できます。さらに「メインメニューをカスタマイズ」でスクリーンショットを追加しておけば、ワンタップで保存が完了します。
電源や音量ボタンに負荷をかけずに済むので、ハードウェアに不安があるときも安心して使えます。画面録画やコントロールセンターへのショートカットなどもまとめて登録できるのが嬉しいポイントです。
黒い丸→デバイス→その他→スクリーンショットをタップする
画面に表示された黒い丸(AssistiveTouchアイコン)を軽くタップして「デバイス」を選び、その中の「その他」を開きます。続けて「スクリーンショット」をタップすると、画面が一瞬フラッシュして撮影が完了し、写真アプリに自動保存されます。
AssistiveTouchで電源を切る方法

AssistiveTouchはiOS17以降でも同じように使える画面上の仮想ボタン機能です。電源ボタンが物理的に押せなくなっても、画面操作だけで電源オフメニューを呼び出せるのが魅力です。
特別なケーブルや外部アプリは不要で、設定をオンにするだけで使い始められます。ボタンが埋まってしまった状況でもサクッと電源を切りたいときにおすすめの方法です。
設定アプリ→一般→システム終了をスワイプで実行する
ホーム画面で歯車アイコンをタップして、設定アプリを起動します。
設定画面を下にスクロールして「一般」を選びます。
「一般」の一番下にある「システム終了」をタップします。
表示された電源スライダーを右へスワイプして、iPhoneの電源を切ります。
陥没した電源ボタンを押さずにシャットダウンできるので、ボタンにかかる負担を軽減できます。
ショートカットで仮想電源ボタンを作る方法

電源ボタンが押しづらいときはショートカットでAssistiveTouch(仮想ボタン)をすばやくオンオフできるようにすると便利です。
- 標準アプリだけで準備完了:追加アプリ不要
- ワンタップでAssistiveTouchを表示できるから電源メニューも呼び出しやすい
- 普段は非表示にしておけるので画面がすっきり
ショートカットアプリで新規→アクション検索→再起動を追加する

ホーム画面からショートカットアプリを開き、画面右上の+をタップして新しいショートカットを作成します。
下部の検索バーで「再起動」を入力し、表示された再起動アクションをタップして追加します。その後、画面右上の完了をタップしてショートカットを保存してください。
この方法はiOS17以降で利用できる機能です
よくある質問

電源ボタンが押し込まれたまま戻らない場合は?
- 電源ボタンが押し込まれたまま戻らない場合は?
まずは乾いた柔らかい布で周りのホコリを優しく拭き取ってください。細かなゴミが挟まって動きにくくなることがあります。それでも戻らないときは、薄手のゴム手袋をつけて指の滑りを良くし、外側から優しく押し返してみましょう。無理に力を入れると内部パーツを痛めるので、あくまで優しくトライしてください。
修理に出すときの費用はどのくらい?
- 修理に出すときの費用はどのくらい?
Apple正規店に持ち込むとバッテリー交換と同時だと¥7,000前後が目安です。電源ボタン単体だと¥3,000~¥5,000程度になります。非正規店を選ぶと¥2,000台から対応してくれる場合もありますが、部品品質や保証期間をよく確認してください。
電源ボタンが反応しないときの代替操作は?
- 電源ボタンが反応しないときの代替操作は?
画面タップやスワイプで電源操作したいときはAssistiveTouch(画面内操作)を活用しましょう。設定>アクセシビリティ>タッチ>AssistiveTouchをオンにすると、画面にボタンが現れ、電源メニューやロック画面への移動が簡単になります。
電源ボタンが陥没しても放置して大丈夫?
電源ボタンが少しへこんだ状態でもiPhoneは動き続けるので、すぐに動作がおかしくなるわけではありません。ただし、へこみが進むとボタンが押しっぱなしになってスリープから復帰できなくなったり、うっかり長押しで電源オフや緊急SOSが起動してしまうことがあります。
へこみから隙間にホコリや水分が入りやすくなり、内部の基板やスイッチが不安定になるリスクも出てきます。特に最新のiOSではセキュリティロックや再起動によるトラブル回避のために動作がシビアになっているので、小さな不具合が大きなトラブルにつながることもあります。
プログラマー目線で見ると、電源ボタンの反応が不安定だと、AssistiveTouchなどソフトウェア操作で電源管理を置き換える手間が増えます。いざというときに物理ボタンが確実に使えないのは意外とストレスになりますので、早めに修理や交換を検討したほうが安心です。
保証が切れていても無償で直ることはある?
本体保証が切れていても、Appleが製造上の問題と認めたケースでは、サービスプログラムとして無償対応されることがあります。操作ボタンの陥没は過去に何度か対象に入っていて、私が見た事例でも費用ゼロで修理できた例がありました。
近くの正規サービスプロバイダでシリアル番号を調べてもらえば、自分の機種がプログラム対象かどうかをすぐに確認できます。
自分で分解するとデータは消える?
iPhoneを自分で開けても内部にあるフラッシュメモリはそのまま残るため、分解しただけでデータが消える心配はありません。
ただしバッテリーをはずさずに起動状態で作業すると短絡リスクが高まり、最悪ロジックボードの損傷でデータが吹き飛ぶ可能性があります。
作業前に必ず電源を切り、専用ドライバーを使って静電気や力まかせを防いでください。
AssistiveTouchをオフにできなくなったときは?

AssistiveTouchの設定画面が固まってオフにできないときは、声や別の操作ルートを使って切り替えると驚くほど楽になります。
- Hey Siriに「AssistiveTouchをオフにして」と頼むだけで切り替え
- バックタップに切り替えトリガーを登録してダブル/トリプルタップでオフ
- ショートカットアプリでAssistiveTouchのトグルを自動化してワンタップ操作
まとめ

iPhoneの電源ボタンが陥没しても焦らずに、まずはエアダスターでごみを吹き飛ばしたり、つまようじの先にテープを巻いて優しくほこりを取り除いたりといった手軽な方法から試します。これで直らない場合は、ケースを外して内部のブラケットを軽く押し戻し、きちんと組み直すだけでスムーズに復活することが多いです。
分解するときは、小さなパーツを無くさないようにトレイに並べて管理し、プラスチック製のピンセットや吸着パッドなどの安全な工具を使うと安心です。組み立て後は電源のオンオフや画面ロックを確認して、問題なく動くかしっかりチェックしましょう。
この記事で紹介した手順を順番にこなせば、専門店に頼らずに手軽に修理できます。自分の手でメンテナンスを楽しみながら、元どおりの快適なiPhone操作を取り戻してくださいね。