iPhoneeの機種変更でクイックスタートがwifiなしだと固まり、夜の机で途方に暮れていませんか。
ここでは、長年プログラマーとして積んできた移行経験をもとに、テザリングとケーブルの二通りでデータを安全に移せる手順を、つまずきやすい画面の動きまで逃さず丁寧にまとめています。さらに失敗しない充電のコツや通信量を抑える小技も盛り込み、安心して準備を進めながら読み進めるだけで完了を目指せます。
さっそく二台を並べて設定を始め、移行後のiPhoneで写真やアプリを思いきり楽しむ時間をすぐに手に入れましょう。
WiFiなしでクイックスタートを成功させる全手順

Wi-Fiがない場所でもクイックスタートをスムーズに進めるには、大きく分けて三つの方法があります。それぞれのポイントを押さえて、自分の環境に合った手順を選ぶと安心です。
- テザリングを活用して転送する:古いiPhoneでインターネット共有をオンにして、新しいiPhoneをWi-Fi接続します。バッテリー消費を抑えるコツは、画面の明るさを落として不要なアプリは終了しておくことです。
- Lightning–USB3カメラアダプタを使った有線接続:専用アダプタとケーブルでiPhone同士を直結する方法です。写真や大きなアプリデータを転送するときは、こちらがもっとも高速なのでおすすめです。
- パソコン経由のバックアップを復元:MacのFinderやiTunesで古いiPhoneをバックアップしておき、新しいiPhoneでそのデータを復元します。オフライン環境でもケーブル一本で完結するのが便利です。
これらの方法を知っておくと、Wi-Fiルーターがなくてもクイックスタートでしっかりデータ移行できます。状況に合わせたやり方で、新しいiPhoneをすぐに使い始めましょう。
テザリングを使う

モバイルデータ通信を使って古いiPhoneをインターネット共有(テザリング)にすると、新しいiPhoneでもWi-Fiがなくてもクイックスタートでデータを移せます。特別なケーブルやアダプタは不要なので、外出先やカフェなどWi-Fiが不安定な場所でもさっと準備できるのが魅力です。
- 専用機材なしで設定は数タップだけで完了する。
- 通信速度はWi-Fiに近く、写真やアプリの移行もスムーズ。
- 実際に試した際、移行中にバッテリーが減りやすかったので両端を充電器につないでおくと安心。
- モバイルデータ量を使うため、契約プランの残量に注意が必要。
①古いiPhoneでインターネット共有をオンにする
ホーム画面から設定アプリを開き、「インターネット共有」をタップします。
「ほかの人の接続を許可」をオンに切り替え、表示されるWi-Fiパスワードをメモしておきます。
iOS17以降は画面上部に共有アイコンが表示されるので、オンになっているかひと目で確認できます。
テザリング中はモバイルデータを多く使うので通信量を確認してください。
②WiFiのパスワードを決める
テザリング用のネットワークが他人に使われないように、英数字と記号を組み合わせた8文字以上のパスワードを設定しましょう。
大文字と小文字を混ぜるとさらに安全度がアップします。好きなフレーズを短く略して混ぜ込むと覚えやすくなります。
設定後はメモを残しておくか、スマホのメモアプリに書き写しておくと安心です。
あまり単純な文字列だと第三者に接続されるリスクが高まるので注意してください。
③新しいiPhoneでテザリング先を選ぶ
新しいiPhoneで設定アプリを開きWi-Fiをタップします。
表示されたリストから古いiPhoneのネットワーク名を選びます。
パスワード入力画面が出たら古いiPhoneで設定した共有用パスワードを入れて接続してください。
もしネットワークが見当たらないときは画面を下に引っ張って更新するかWi-Fiを一度オフにしてから再度オンにすると表示されやすくなります。
④パスワードを入力して接続する
古いiPhoneの「インターネット共有」画面に表示されているWi-Fiパスワードを、新しいiPhoneのパスワード欄に入力します。
長押しでコピペすると誤入力を防げるので、英数字がわかりにくいときには便利です。
入力が終わったら「接続」をタップし、しばらく待つとチェックマークが表示されてネットワークに繋がります。
パスワードは大文字と小文字を区別するので、コピー&ペーストが失敗しないコツです。
⑤2台を並べてクイックスタートを始める
両方のiPhoneを机の上など安定した場所に並べて、どちらも電源が入った状態でロックを解除しておきます。
新しいiPhoneに「新しいiPhoneを設定」の画面が表示されたら、古いiPhone側にポップアップが出るまで待ち、「続ける」をタップします。
新しいiPhoneに表示されたぐるぐるアニメーションを、古いiPhoneのカメラで枠内に収めてスキャンします。
スキャンがうまくいかないときは、手動でコード入力を選び、画面に表示された数字を古いiPhoneに入力してください。
「データ転送」画面が出たらそのまま進み、完了するまで両端末を動かさないようにして、できれば充電器につないでおくと安心です。
⑥転送が終わるまで充電しながら待つ
移行中は古いiPhoneと新しいiPhoneそれぞれを充電ケーブルでしっかりつないでおきましょう。バッテリー残量が少ないと転送が途中で止まることがあるので、充電しながら待つのが安心です。画面がオフになってもバックグラウンドでデータ移行は続くので、ケーブルを外さず完了までそのまま待ちましょう。
ケーブルでつなぐ

ケーブル接続を使うと安定した速度で古いiPhoneから新しいiPhoneへデータを移せます。
- 専用のLightning–USB3カメラアダプタとUSB–Lightningケーブルがあれば準備完了
- モバイルデータを消費せずに移行できるので通信量が気にならない
- 回線が途切れにくく、屋外や電波の弱い場所でも安心
Wi-Fi環境が用意できない出張先やカフェなどでもサクッと移行できるのがうれしいポイントです。
①LightningUSB3カメラアダプタを新しいiPhoneへ差す
まず、新しいiPhoneのケースを外してから、LightningUSB3カメラアダプタのLightningコネクタをiPhone底部のLightningポートにまっすぐ差し込みます。アダプタ上面のUSBポートが画面側に向くように向きを合わせるとスムーズです。
力を入れすぎるとコネクタや本体を傷めるので、コネクタがカチッと奥まで収まるまで優しく押し込んでください。埃が気になる場合は、差し込む前にポート内部をブロワーなどで軽く吹いておくと安心です。
アダプタがしっかり固定されたら準備完了です。次のステップで古いiPhoneとケーブル接続していきましょう。
②Lightningケーブルを古いiPhoneへ差す
USB–LightningケーブルのLightning端子を古いiPhoneの充電ポートにまっすぐ差し込んでください。端子の向きを間違えると奥まで入らないことがあるので、ケーブルのツメ部分が下になる向きでゆっくり入れるとスムーズです。
ケースが干渉する場合は外してから作業してください。勢いよく押し込むと端子が傷むので、やさしく差し込むことを意識しましょう。
③USB端子をアダプタへ挿して2台をつなぐ
Lightning–USB3カメラアダプタのUSBポートにUSB–Lightningケーブルをしっかり差し込みます。その後、ケーブルのLightning端子を古いiPhoneに、アダプタ側のLightning端子を新しいiPhoneに接続します。ケーブルの向きと奥まで差し込んでいることを必ず確認してください。
純正またはMFi認証済みのアダプタとケーブルを使わないとデータ転送がうまくいかないことがあります。
④クイックスタート画面の案内にそって転送する
新しいiPhoneの画面に「Apple IDを使って設定」と表示されたら、古いiPhoneで使っているApple IDが正しいか確認してください。
画面のアニメーションを古いiPhoneのカメラで読み取ると「iPhoneから転送」が出てくるのでタップします。
「続ける」を選んだあと、古いiPhoneに表示される「データ転送」をタップしてください。完了まで両端末を近づけたまま、充電ケーブルをつないでおくと安心です。
⑤完了表示を確認してケーブルを外す
移行が無事に終わると、新しいiPhoneの画面に「完了」の表示が現れます。メッセージをしっかり確認したら、アダプタとケーブルをそっと取り外しましょう。急に引っ張ると端子に負担がかかるので、アダプタとiPhoneを両手で支えて、まっすぐに抜くと安心です。
データ移行が終わったら広がる便利ワザ

データ移行が完了したら、iPhoneをさらに自分好みに変身させる楽しいワザを試してみましょう。ここでは実際に使ってみて便利だったテクニックをまとめてお届けします。
活用アイデア | 役立つ場面 |
---|---|
ショートカットの自動化 | よく使う操作をワンタップで実行 |
フォーカスモード設定 | 仕事とプライベートの切替えがスムーズ |
ウィジェットカスタマイズ | ホーム画面に必要情報を一目で |
モバイル回線だけでアプリを一気に取り戻す

モバイル回線だけでアプリをまとめて取り戻せるのは、外出先やホテルのネット環境が不安定なときに頼れるテクニックです。Wi-Fiがない状況でも、設定をちょいと変えるだけで大量のアプリをいっきに再ダウンロードできます。
設定の「App Store」からモバイルデータ通信でのダウンロード許可をオンにしておくと、自動アップデートや再ダウンロードがセルラー回線経由で行われます。実際に試したところ、50本以上のアプリでも数分で完了しました。
ただし大量のデータ通信になるので、バッテリーと通信量には気をつけてください。移動中ならモバイルバッテリーをつなぎつつ、データ消費が心配な場合は必要なアプリだけ狙い撃ちすると安心です。
AppStoreの自動ダウンロードをオンにする
新しいiPhoneでほかのデバイスと同じアプリを自動的にそろえられるように、自動ダウンロードをオンにします。
ホーム画面から設定アプリをタップして起動します。
リストを下にスクロールしてApp Storeを見つけ、タップします。
「自動ダウンロード」欄にあるAppのスイッチをタップして緑色にします。
モバイルデータ通信も有効にすると、自動ダウンロード中にWi-Fiがつながらない場合でも続行します。通信量に注意してください。
大きなアプリは夜間にまとめて落とす
大きなアプリは夜間にまとめてダウンロードすると効率的です。夜はモバイル通信の空きが多いため速度が安定しやすく、寝ている間にインストールを完了できます。
ダウンロード前に自動ダウンロードをオンにして、充電器につないでおくと安心です。朝起きたときにはアプリが準備完了しているので、すぐに使い始められます。
写真をiCloudへすぐにバックアップ

写真アプリでiCloud写真を有効にしておくと、端末内のすべての画像と動画が自動的にアップロードされます。混線しやすいWi-Fiがなくても、テザリングやモバイル回線を使ってバックグラウンドで転送が進むので、クイックスタート前に大切な思い出を丸ごと預けられます。
新しいiPhoneに同じApple IDでサインインすると、iCloud上の写真が自動的に同期されます。デバイス同士を直接つなぐ手順を省いても、ログインだけで復元できるので、写真だけは先にクラウド経由で安心確実に移しておきたいときにぴったりです。
写真設定でiCloud写真をオンにする
iPhoneの「設定」を開いて、画面上部のアカウント名をタップします。
「写真」を選んで、〈iCloud写真〉のスイッチを右にスライドしてオンにします。
最適化ストレージを有効にすると端末の空き容量を節約できますが、オリジナルデータはiCloudに保管されるので、通信環境が安定しているときに設定しておくのがおすすめです。
iCloudストレージに十分な空きがないとアップロードが止まることがあるので、必要に応じてプランを見直してください。
モバイルデータ使用を許可してアップロードを急ぐ
設定アプリを開いてモバイル通信を選び、リストからiCloudを探します。iCloudのスイッチをオンにすると、モバイルデータを使ってバックアップや写真の同期が進むようになります。
Apple ID(画面上部)>iCloud>iCloudバックアップの順にタップして、「今すぐバックアップを作成」を押します。モバイル回線でもアップロードが始まるので、Wi-Fiなしで急ぎたいときに便利です。
モバイルプランの上限を超えないように利用量を確認してください。
設定の引き継ぎをチェックしてトラブルを防ぐ

iPhoneのクイックスタートでは、アプリの通知設定や壁紙、Safariのパスワードなど、さまざまな「設定の引き継ぎ」が選べます。新しいiPhoneにすべてのカスタマイズをまるごと移したいときや、これまでに手動で調整した細かい設定をもう一度確認したくないときには、事前に引き継ぎ項目をチェックしておくと安心です。
プログラマー視点のコツとして、VPNや社内Wi-Fiプロファイルなどの開発用設定も忘れずに選択しておきましょう。転送時間を短くしたい場合は、必須の設定だけに絞るとスムーズに進みます。
キーチェーンがオンか確認する
設定アプリを開き、画面上部の名前をタップします。
「iCloud」を選択し、「キーチェーン」がオンになっているか確認します。
もしオフならスイッチを右にスライドしてオンにしてください。オンにするにはApple IDのパスワード入力が必要になる場合があります。
二段階認証が求められたら、受信した番号を入力するとオンになります。
オンにすると同期に少し時間がかかります。完了するまで画面を閉じずに待ちましょう。
メールやLINEの再ログインを済ませる
- 設定アプリを開きメールをタップする。
- 「アカウント」を選び、パスワード入力が求められるアカウントをタップする。
- 正しいパスワードを入力し、必要なら二段階認証コードを入れて完了する。
LINEを起動し、登録している電話番号とパスワードを入力してください。
- SMSで届く認証番号を入力し、ログインを進める。
- トーク履歴の復元画面が出たら「トーク履歴を復元」をタップする。
メールやLINEはセキュリティの都合上パスワード入力が必要です。うまくいかない場合は一度アプリを再起動してから再挑戦してください。
よくある質問

- テザリングでデータ移行するときの注意点は?
-
テザリングはスマホのモバイルデータ通信を使うので、契約しているデータ量を超えないように気をつけてください。移行が終わったら、アプリの再ダウンロードはなるべくWi-Fi環境で実行すると通信量を節約できます。
- 有線接続で認識しない場合はどうすればいい?
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Lightning–USB3カメラアダプタとケーブルがしっかり付いているか確認してください。端子の接触不良が多いので、軽く抜き差ししてみると改善することがあります。それでもダメなら両方のiPhoneを再起動してやり直してみましょう。
- 移行中に進捗バーが長時間止まったらどうする?
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小さなファイルを大量に移すときに止まりやすいです。10分ほど様子を見て動かなければ、両方のiPhoneのバッテリー残量を確認してから再起動し、再度手順を試してみてください。
どのくらいの通信量がかかる?
機種変更のデータ移行は、新旧iPhone同士が直接つながってデータをやり取りするため、ほとんど通信量を使いません。
実際にはAppleID認証や一部の設定確認で数メガバイト程度利用するだけです。移行中のデータ本体は端末間通信で済むので、テザリングしてもデータ量を気にする必要はほぼありません。
ただしアプリの再ダウンロードなどが自動で始まると多くの通信量が必要になります。移行後はWi-Fi環境が整ってからアプリ再ダウンロードを進めると安心です。
途中で止まったらどうすればいい?
データ転送が途中でピタッと止まってしまったら、まずは画面がロックされていないかチェックしてください。iPhoneはスリープに入ると通信が中断しやすいので注意が必要です。
設定>画面表示と明るさ>自動ロックを「しない」にして、両方のiPhoneが常に操作可能な状態を保ちましょう。
バッテリー残量が少ないと転送が止まることがあるので、両方のiPhoneを充電器につないだまま試してみてください。
どうしても動かなければ、一度両方のiPhoneを再起動してからクイックスタートをやり直すとリセットされてスムーズに進むことがあります。
通信が弱い環境の場合は、新旧ともにWi-Fi(テザリング)よりも有線接続へ切り替えると安定しやすいです。
対応するケーブルはどれ?
有線でつなぐときは安定した接続を維持できるケーブルとアダプタが欠かせません。最新モデルでもスムーズにデータを移せる組み合わせを紹介します。
- Lightning-USB3カメラアダプタ:いわば中継ポイントとして、両方のiPhoneをしっかりつなぎます
- USB-Lightningケーブル:古いiPhone側のLightning端子とアダプタのUSB端子を結ぶ大事な1本です
- USB充電ケーブル(任意):長時間転送やバッテリー残量が気になるときは、アダプタのLightningポートに挿して補助電源を確保しましょう
クイックスタートをやり直したいときは?
クイックスタートの途中でうまく進まなかったり、接続方法を変えて再トライしたくなったりしたときは、新しいiPhoneをリセットして最初からセットアップし直すのがいちばん手軽です。自分の状況に合わせて選べるのがポイントです。
- 設定リセットして再チャレンジ:新しいiPhoneの「設定」>「一般」>「Transfer or Reset iPhone」>「Erase All Content and Settings」を使い、画面の指示に従って完全消去後、再びクイックスタートを実行できます。
- MacやPCで復元して再セットアップ:LightningやUSB-Cケーブルでパソコンにつないだあと、Finder(またはiTunes)から復元を選択。初期化されたらクイックスタートを最初から進められます。
新しいiPhoneをリセットすると、すでに適用した設定やダウンロードしたアプリも消えます。必要なアプリをメモしておくと再設定がスムーズです。
まとめ

WiFiがなくてもテザリングか有線接続を使えば、クイックスタートで新しいiPhoneにデータを移せます。
テザリングはモバイル通信量に注意しつつ、接続トラブル時は両端末を再起動するとスムーズです。
有線接続はLightning–USB3カメラアダプタが必要ですが、安定したデータ転送が期待できます。
この記事の手順を踏めば、WiFi環境がなくても迷わずデータ移行が完了します。ぜひ安心して試してみてください。